コラム
2026年2月21日
犬の脾臓腫瘍の症状とは?見逃してはいけないサインを解説
犬の脾臓腫瘍は、高齢犬に多くみられる腫瘍のひとつです。
それまで目立った症状がなかったのに、ある日突然ぐったりすることで発見されるケースもあります。
- 元気がなくなる
- 急にふらついて立てなくなる
- お腹が張っている
このような症状がみられる場合、脾臓腫瘍が関係している可能性があります。
本記事では、犬の脾臓腫瘍でみられる症状や、注意すべきサインについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、早期発見の参考にしてください。

犬の脾臓腫瘍とは?
犬の脾臓は、血液をためたり、古くなった赤血球を処理したりする臓器です。
この脾臓に発生する腫瘍を「脾臓腫瘍」と呼びます。
良性の腫瘍もありますが、犬では悪性腫瘍、とくに血管肉腫が多いことが知られています。
血管肉腫は進行が早く、腫瘍が破裂すると大量出血を起こすことがあるため注意が必要です。
犬の脾臓腫瘍の主な症状
脾臓腫瘍では、次のような症状がみられることがあります。
- 元気消失
- 食欲不振
- 体重減少
- ふらつき
- お腹の膨らみ
これらは比較的ゆっくり進行することもありますが、腫瘍が大きくなると出血を起こすリスクが高まります。
脾臓腫瘍の症状は、初期には非常にわかりにくいことが特徴です。
「なんとなく元気がない」「少し寝ている時間が増えた」など、加齢による変化と区別がつきにくいサインで始まることもあります。
また、軽い出血の場合には、一時的に元気が戻ることがあり、飼い主様が安心して受診を見送るケースも多いです。
しかし、その間も腫瘍は進行している可能性があります。
犬に急な体調変化がみられた場合には、様子を見ずに一度病院を受診することも大切です。
脾臓腫瘍が破裂したときの症状
脾臓腫瘍で最も注意すべきなのが「破裂」です。
脾臓腫瘍が破裂すると腹腔内に出血が起こり、急激に状態が悪化します。
- 急にぐったりする
- 立てなくなる
- 歯ぐきが白くなる
- 呼吸が荒くなる
- お腹が急に張る
このような症状は、命に関わる緊急事態のサインです。
出血が落ち着くと一時的に回復したように見える場合もありますが、再出血の危険性が高いため、必ず動物病院で検査を受ける必要があります。
逆に言うと脾臓腫瘍は、破裂するまで症状がほとんど出ないことも多いです。
健康診断の超音波検査で偶然見つかるケースも少なくありません。
そのため、高齢犬では定期的な血液検査や腹部超音波検査を受けることが重要ですね。
犬の脾臓腫瘍が疑われた場合の検査
脾臓腫瘍が疑われた場合には、
- 腹部レントゲン検査
- 腹部超音波検査
- 血液検査
などの検査で症状の原因を詳しく調べることが必要です。
超音波検査では、
- 脾臓の大きさ
- 内部構造の変化
- 腫瘍の有無
だけでなく、腹腔内に出血が起きていないかも確認します。
症状や検査の結果から、出血が疑われる場合には、緊急での対応が必要です。
出血量が多い場合には、輸血や循環管理が必要になることもあります。
また、脾臓腫瘍には良性と悪性があり、症状や画像検査だけでは腫瘍の種類までは判別できません。
良性腫瘍であれば摘出後に再発なく経過することもあります。
しかし、悪性腫瘍、とくに血管肉腫の場合には転移のリスクも考慮する必要があります。
そのため、脾臓腫瘍では迅速な診断と適切な初期対応が、その後の治療成績を大きく左右します。

実際にあった脾臓腫瘍破裂の症例
当院でも、ふらつきと元気消失を主訴に来院し、検査の結果、脾臓腫瘍の破裂による腹腔内出血が判明した症例があります。
大量出血により全身状態が悪化しており、輸血と緊急手術が必要な状態でした。
高度な麻酔管理のもと脾臓摘出を行い、その後状態は安定しました。
症例の詳細や治療の流れについては、上記の記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。

まとめ
犬の脾臓腫瘍は、高齢犬に多い腫瘍であり、破裂すると急激に状態が悪化することがあります。
元気消失やふらつき、お腹の張りなどの症状がみられた場合には、早めの受診が大切です。とくに「急にぐったりした」「歯ぐきが白い」といった症状は緊急性が高いため、すぐに動物病院へ相談しましょう。
当院では、脾臓腫瘍の診断から緊急手術、術後管理まで対応しております。
気になる症状がある場合には、お早めにご相談ください。
愛知県名古屋市西区
庄内通どうぶつ病院

